2013年02月28日

無精者の舌

【今日の写真】 
                       
                 撮影場所:フィリッピン共和国・イロコスノ―テ州・パオアイ市
                 撮影時期:2011年7月19日

世界遺産 サン・オウガスチン教会
パオアイ (イロコスノ-テ州)

パオアい教会.jpg

1993年にフィリピン初の世界遺産に認定された。フィリピン
にある4つのバロック様式教会のうちの一つです。

他の3つは、南イロコス州サンタマリアにあるアスンシオン教会と
マニラにあるサン・オウガスチン教会、パナイ島ミアガオにある
ビリヤヌエバ教会。いずれも歴史を感じさせる、立派な教会建築の景観を誇る。

オウガスチン宣教師により、1598年に建てられましたが
1706年と1927年の2度の地震で被害を受けました。

世界遺産.jpg

教会横にそびえる塔は、日本占領下の時代には
監視所として使用されていたそうだ。

教会横手.jpg

加工珊瑚とレンガで建てられています。世界遺産としての維持管理は
いまひとつのようで、屋根の一部はトタンぶきになっていて
大がかりな修復工事が必要だと感じた。

教会内ミサ.jpg

ちょうど教会内では、ミサが行われていたが南国の人々の陽気な
雰囲気もあって、厳かと言うより、楽しげに感じたのは
私が日本人のせいだからでしょう。






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【記事本文】

無精者の舌


英語やラテン語などの外国語が舌、唇、歯など
総動員して、いろんな複雑な音を出すのに
くらべ日本語はあまり口も開かず、舌も使わない。

でも、我々日本人は手足は器用で、とても
勤勉な国民性を持っています。

日本人は数字を数えるとき
10本の指を折って、数えていきます。

あれは小さい子供の時から、末梢神経の
発達にとてもいいんだそうだ。

頭のほうでいけば、掛け算九九の暗算です。
これも頭の末梢神経を刺激して、脳のトレーニングに
大変よろしいと、いうことになっている。

日本語は無精者の言葉のようだけども、あまり口も
開かず、舌も活発に使わずとも

アングロサクソンやらラテン系の民族と
同じだけのボキャブラリーを発展させて
きたのだから、なかなかのもんだ。

だから、日本語はとても、効率のいい言葉
なのかと思うのですが、どうなんでしょうかねえ。

しかし、彼らはわれわれのような言葉を
「レイシー・タング」(怠け者の舌)と言って
いるんだそうだ。

で、私はいまフィリッピンの言葉を勉強しているんですがね。
怠け者の舌でもって習得するには、これらの言葉はとても難しいね。

フィリッピンの国語といわれる、タガログ語(フィリッピン語)
は300年あまりも植民地にしていたスペインなどの
ラテン系の言語とはまた違う。

この国の言葉は、たくさんの言葉があって地方に
行くごとに、全く共通しない言葉が多いのです。

不思議に思うことは、何百年にわたる植民地として
いた宗主国のスペイン語が一般に使われないのが
おもしろい。

一方、スペインが同じ時期に植民地として
統治下においた、メキシコなどの南アメリカでは

ラテン系のスペイン語が採用されたのには
きっと何か、政治的な意図があったように思われる。

ともあれ、「無精者の舌」でも、このタガログ語が
マスターできる素晴らしい、ブログがあるのをご存じかな。

シュンスケさんの書く、「カタカナで覚えるタガログ語」 。
60の手習い、たぬち庵じいさんが語学勉強の教材としています。

幕末に活躍したジョン万次郎は、アメリカに流れ着き
ろくに教育も受けていない漁師でありながら、「ひらがな」で
素晴らしい英語を身に付けた。

彼は云う、アメリカ国は、立派な志を持てば庶民が
選挙により、将軍になれる。と

アメリカ国においては、7日ごとにキリシタンの祭りがあり
仕事は休みで、着飾り、寺(教会)に行き「さんれい」を楽しむ。

「さんれい」なんのこっちゃ、大きな声で「さんれい」と
言ってみれば、よくわかる。

素晴らしい英語です。聞いたアメリカ人はきっとこう答える。
Oh yes. good Sunday !!


万次郎の「ひらがな英語」ならぬ「カタカナでタガログ語」を
ものしようと、まわらぬ無精者の舌で頑張る
たぬち庵じいさんの、今日この頃なのだ。









posted by たぬち庵 at 17:51| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月24日

極楽の水

【今日の写真】 
                       
                 撮影場所:フィリッピン共和国・カモテス諸島・サンフランシスコ島
                 撮影時期:2012年 1月

セブ島とレイテ島に挟まれたカモテス海峡に浮かぶ"秘境"カモテス諸島。
一番大きな双子の島の一つがサンフランシスコ島です。

2012-1月.jpg

訪れる観光客もほとんど無いこの島は、開発とは全く無縁だった。
パラワンを凌ぐと言われる「秘境」という代名詞がぴったりの島です。
岩場の海岸や、サンゴの砂でできたホワイトビーチの小さなリゾートが点在する。

2012-1月セブ 291.jpg

以前あったセブ港からの高速艇は運休となり、今はセブ・ダナオ港からのアクセスしかありません。 
バンカーボートで約2時間です。中型のフェリーも運航されている。

私はこの島に行くと友人の養豚場の小屋に泊めてもらいます。
養豚場は乳酸菌を培養して作る防臭剤で悪臭もなく、蚊やハエも全くと言っていいほどいない。

2012-1月セブ 351.jpg

でも用心のため、蚊帳を張って、この「ブタ・ホテル」で南国の夜を
南十字星のきらめく夜空を見上げ、「得も言われぬ癒し」を感じながら、眠りにつきます。







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


極楽の水

精神の疲れはアルコールを求め
肉体の疲れは甘みを求める――――というのが
人間の生理の鉄則なのであるな。

都会にいると酒びたりになるということが
あるけれども、田舎にくらして野山ですごすと
甘いものが欲しくなる。

これはフィリッピン滞在の体験からもそうだ。
大自然の中にあるとき、私はほとんど酒を飲まない。
身体が求めない。飲んでも、あまり飲めない。

ところが一歩日本にかえって来ると、飲み始める。
鳥取の街は都会ではないが、フィリッピンの島から
比べると大都会に思えてくる。

よほど都会は、人間の精神を疲れさせるものの
ようである。

そうでなければ、私自身が都会むきにできて
いないせいかも知れない。

フィリッピンの旅に出るとき、免税ショップで
ジャックダニエルやバーボンを買う代わりに
日本から小豆(あずき)の小袋を買って持って行く。

ジャングルの小道でジープを止めさせ、枯れ木を
集めてお汁粉を作る。

砂糖は、現地のサトウキビの漂白していない天然ミネラル
たっぷりのやつを使うと美味い。

南国の焼けつくような太陽の下で、木漏れ日が
キラキラする中、ふうふうとススるんだ。

吹き出る汗がやがて、背筋をつたい、衣服をぬらす
まるで水浴びでもしたあとのようになる。

途中で仕入れたミネラルウォタ―をクーラーボックスから
とりだし、体中を口にして飲むんだ。

およそ水は、味のないものだがこの時の水は
小豆の残り香をまるめて、極楽の味がする。

極楽浄土の水の味は、涙がでるほどの
おいしい味がする―――焼けつく南国の太陽の下にあっては。

南無阿弥陀仏・・・










posted by たぬち庵 at 21:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月15日

リップバンウィンクルの物語


【今日の写真】
 
                       撮影場所:フィリッピン・オリエンタルミンドロ州
                       撮影時期:2006年 8月

マンニャン族の長老・ラミージョ爺さん(村の人はホセと呼んでいる)マンニャン村.jpg

フィリッピンの原住民族「マンニャン」の村に住む爺さん。
彼はジャングルの中で真っ黒い豚を飼育して暮らしている。

私とは、もう長い間の友人です。彼はいつも私が土産に
持って行く免税品タバコ「マイルドセブン」を心待ちにしている。

「マンニャンの森」の入口に咲いた野の花。
名はわからないが、可憐で小さな花が印象的だった。


マンニャンの森入り口に咲いた花.jpg
 

【後日追記】
南国の名も知れぬ可憐な野の花と思ったこの花は「ランタナ」という
花でした。たけちゃんマンさんからコメントをいただき判明した。
世界中に分布し沢山の種類があるそうです。左斜め上クリックして花の情報を見る



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


リップ・バン・ウィンクルの物語

男の心の中には、リップ・バン・ウィンクルが
一人住んでいる。

これはアメリカの素朴な男の物語です。
西洋版「浦島太郎」のような話です。
気が向いたら読んでみてください。


ワシントン・アーヴィングの短編
「リップ・ヴァン・ウィンクル」。出典[Wikipedia]


むかしむかし、アメリカのハドソン川の近くの村に、
リップ・バン・ウィンクルという男が住んでいました。

リップは家の仕事をするのが大嫌いで
いつも村の中をプラブラしていました。
 
ですからリップの家は村で一番貧乏で、リップの
息子や娘たちはボロボロの服を着ていました。
 
リップのおかみさんは、ひまさえあると、
「このなまけ者!」と、リップを怒鳴りつけていました。

おかみさんに叱られると、リップはコソコソと家を逃げ出します。
そして鉄砲を肩にかつぎ、ウルフというイヌを
連れて山へ狩りに出かけるのです。

ある日、リップはウルフと山の中を走り回っていましたが、
いつの間にか険しい山に迷い込んでしまいました。
 
リップとウルフは、草の生えた丘に腰をおろして休みました。
間もなく、夕ぐれです。

リップの村は、ずっと遠くに小さくかすんで見えます。
家ではおかみさんが、腹を立てて待っている事でしょう。

その時、誰もいない山の谷底から、
「おーい。リップやーい」
と、呼ぶ声がしました。

(・・・・・・?)

聞き違いかなとリップが思った時、また谷底から、
「おーい。リップやーい」と、はっきり聞こえて来ました。

谷を見下ろすと、誰かが重そうな物を背中に
かついで谷川を登っています。

ウルフは、なぜか怖そうにリップに体を寄せてきました。
リップは親切な男でしたから、手伝って
あげようと思って谷をかけおりました。

谷川を登っている人を見て、リップはビックリしました。
白いあごひげを胸までたらした、リップの知らないおじいさんです。

着ている服も変わっていて、何だか、
むかしの人が着ていた服のようです。

おじいさんは、酒の大きなタルをかついでいました。
リップが近づくと、《一緒に、運んでくれ》と、合図をしました。

おじいさんとリップは酒ダルをかついで、水が枯れた
谷川を登って行きました。

しばらくすると、
ゴロゴロゴロー!、
カミナリの音が、ひびいて来るようになりました。
 
まもなく谷川が行き止まり、高い崖に囲まれた広場に出ました。
 2人は、その中へ入って行きました。

「あっ!」
 リップは、驚きの声をあげました。
 広場では、おじいさんたちが大勢でボーリングをして遊んでいます。

 カミナリの音と思ったのは、実はボーリングの
ボールを転がす音だったのです。

おじいさんたちはみんな、むかしの服を着て、
腰には小刀(こがたな)をさしています。
 
長い白いひげをたらし、羽かざりのついたぼうしや、
とんがりぼうしをかぶった人もいました。

みんなはボーリングを止めて、リップをジロリと見ました。
みんな死人の様に、青い顔ばかりです。

リップは恐ろしくなって、ガタガタと震えました。
一緒に来たおじいさんは、酒ダルから
大ビンに酒をつめかえました。

そして酒をついで回る様にと、リップに合図をしました。
リップがコップに酒をつぐと、みんなは黙ったまま
ゴクンゴクンと飲み干します。

それからまた、ボーリングを始めました。
リップは酒が大好きだったので、
おじいさんの目を盗んでひと口飲んでみました。

するとその、おいしい事 たちまち、
2杯、3杯と飲んでいるうちに、酔っぱらってしまいました。

そしていつの間にか、ぐっすりと眠ってしまったのです。

朝になり、リップが目を覚ますと、あのおじいさんと
初めてあった丘の上で寝ていました。

「ウルフ、ウルフ」 リップがイヌの名を呼びましたが
どこからも出て来ません。
 
足元に鉄砲が転がっていましたが、それはリップの
新しい鉄砲ではなく、茶色にさびたボロボロの鉄砲でした。

「あのじいさんどもに、イヌと鉄砲を取られてしまった」
 腹を立てたリップは、昨日の広場へ出かける事にしました。

「よいしょっ」 立ち上がろうとしますと、
体の具合が悪いのか力が抜けた様な感じです。
(まだ、酒に酔っているのかな?)
 
リップは、谷川へ降りて行きました。
すると、どうでしょう。

昨日まで枯れていた谷川に水がごうごうと
流れており、谷川を登って行く事が出来ません。

遠回りをして何とかリップは村へ戻りましたが、
自分の家がどこにあるのかわかりません。

それというのも、たったひと晩の間に家が
ものすごくたくさん増えて村の様子がすっかり
変わっているのです。

村にはリップが知っている人が1人もいません。
何とかして、やっとリップの家が見つかりました。

けれども庭には草がボウボウと生え、
屋根も庭も壊れかけています。

(これは一体、どうした事だ? ・・・そうだ、
家族たちは無事か!) リップは家の中へ

飛び込みましたが、中には、おかみさんも息子も
娘も、誰もいません。

リップは家を飛び出し、村の中を歩き回りました。
間もなくリップは、村の人々に取り囲まれました。

そしてその中の一人が、リップに聞きました。
「鉄砲など持って、どうしたのじゃ? 
おじいさん、あんたはどこの誰かね?」

「おじいさん? 何を言う。わたしはまだ、若いですよ」
リップが言うと、人々はリップの胸のあたりを
指差して笑い合うのです。

リップも、自分の胸を見ました。 すると、どうでしょう。
いつの間にか、長くて白いひげが胸まで

伸びているではありませんか。
何と知らない間に、リップはおじいさんになっていたのです。

「そっ、そんな! ・・・誰か、誰かリップ・バン・ウィンクル
を知っている人はいませんか?!」

リップはすっかり驚いて、大声で叫びました。
その時、若い女が赤ん坊を抱いて進み出ました。

「それは、わたしの父です。二十年も前、
山へ行ったまま帰って来ませんでした」
 
リップは娘のところへ駆け寄りと、叫びました。
「わたしが、そのリップだよ!」
 
リップは、人々に昨日の出来事を話しました。
すると、1人の老人が言いました。

「お前さんが出会ったのは、むかしこのあたりを探検し
たハドソン船長たちの幽霊に違いない。

二十年ごとに必ず見回りに来ると言う、言い伝えがあるんじゃ」
「・・・そんな」

おどろいた事に、リップが眠っている間に二十年もたっていたのです。
それからリップは娘の家に引き取られて、幸せに暮らしたとさ。

おしまい



いまは亡き、名優・松田勇作が、映画の1カットの間中
まばたきもせずに語る、リップ・バン・ウィンクルの話。





posted by たぬち庵 at 21:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。